ストレッチの効果についての論文抄読
最近読んだストレッチに関する論文をいくつか紹介します。
- Herbert RD, et al. (2011). Stretching to prevent or reduce muscle soreness after exercise. (運動後の筋肉痛を予防または軽減するためのストレッチ)
- 運動後のストレッチが筋肉痛に及ぼす影響や効果に焦点を当てたメタ分析や総説です。
運動後のストレッチが筋肉痛に及ぼす影響を調査したメタ分析となっています。結果は、運動後のストレッチが筋肉痛の軽減に効果がある可能性があるとしていますが、その効果は個人差があり、一貫した結論に至っていないというのが結果となります。そのため、現時点では筋肉痛の程度をストレッチが抑えられるということは明言できません。
- Behm DG, et al. (2016). Acute effects of muscle stretching on physical performance, range of motion, and injury incidence in healthy active individuals: A systematic review. (健康なアクティブな個人における筋肉ストレッチの急性効果:身体能力、関節可動域、および負傷発生に関する体系的レビュー)
健康な個人におけるストレッチの急性効果に関する体系的レビューとなっています。ストレッチが短期的な身体能力や関節可動域に対してはしっかりとした影響を与える可能性があるが、負傷発生率については明確に差が出ているわけではないみたいです。
- Weppler CH, Magnusson SP. (2010). Increasing muscle extensibility: A matter of increasing length or modifying sensation? (筋肉の伸展性を向上させる:長さを増やすことまたは感覚を変えること?)
- 筋肉の伸展性を向上させるための方法について、筋肉の長さを増やすことと感覚を変えることの両方の観点から議論しています。
筋肉の伸長性向上に関する論文となっています。筋肉の伸長性を増す方法について、筋肉の長さを増やす方法と感覚を変える方法の両方が考察されており、その効果について議論されています。
(急性静的ストレッチの最大筋力パフォーマンスへの影響:体系的レビュー)
静的ストレッチが最大筋力パフォーマンスに与える影響を体系的にレビューした論文となっています。静的ストレッチが筋力パフォーマンスに与える効果について、短期的な影響や制限がある可能性が示唆されています。言い換えればストレッチがパフォーマンスを低下させる可能性があるとする論文です。
以上、近年に発表されているストレッチの効果についての論文です。ストレッチはさまざまな効果が示されていますが、反対にパフォーマンスを低下させるかもしれないといった報告もされています。
引き続き論文を随時チェックしながら最新の情報をアップデートしていきます。
投稿者プロフィール
- しなやかで軽い体を作る専門店コンディショニング&フィットネススタジオAlter代表。理学療法士歴15年。ICU〜在宅まで幅広く経験。認定理学療法士(運動器・呼吸器)、呼吸療法認定士、心リハ指導士。知っていることで悩みが解決することもあります。このブログで少しでもお力になれたらと思っています。
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