ストレッチについて

こんにちは!姫路市飾磨区にあるコンディショニング&フィットネススタジオAlter(アルター)のHirokiです。今日はストレッチについてお話したいと思います。

ストレッチとは

ストレッチは、筋肉や関節の柔軟性を向上させるために行われるエクササイズの一つとなります。これは、筋肉や体の組織を引き伸ばし、伸展させることで、筋肉や関節の可動域を広げることを目的としています。しかし、ストレッチは行う組織によって効果が違ってきたりします。

ストレッチはどこを伸ばしているの?

ストレッチは一般的に筋肉を伸ばしていると思われていますが、ターゲットはいくつかあります。

主に②つに分かれます。

①筋線維

②筋周膜や関節の周囲を囲んでいる膜

となります。それぞれ組織が変わってきますし、組織が変わるということは柔軟性改善に必要な期間も変わってきます。

①筋線維

筋線維は筋肉を構成する基本的な単位で、多数の筋原線維が束になって形成されています。これらは収縮することができる特殊な細胞で、アクチンとミオシンというタンパク質から構成されています。収縮するときも弛緩するときもエネルギーを必要とするために筋肉内の血流量が落ちることで筋肉が緩みにくくなります。

この場合はストレッチによる循環改善効果で筋肉を緩めることができるため、比較的早く効果が出てきます。

②筋周膜や関節の周囲を囲んでいる関節包などの疎性結合組織

疎性結合組織は結合組織の一部となります。

結合組織は、私たちの体の至る所に存在し、様々な部位を支え、つなぎ合わせる役割を果たす非常に重要な組織です。この組織は、体のさまざまな部分に強度と柔軟性を提供し、体を一つにまとめる役割を担っています。

例えるなら家を支える壁のようなものです。

結合組織の種類

結合組織にはいくつかの異なるタイプがありますが、ストレッチに関係する2種類の結合組織について以下に述べます。

  1. 疎性結合組織: これは最も一般的なタイプで、柔軟性があり、体の多くの部分に存在します。皮膚の下や内臓の周り、筋肉を囲んでいる周膜や関節の膜もこれに当てはまります。ストレッチなどでも柔軟性が改善される組織になります。
  2. 密性結合組織: これは疎性結合組織より密集しており、たとえば腱や靭帯のように、筋肉や骨をつなぐ強い組織です。これはそもそも伸びるように作られておらずとても硬い組織になります。

このように結合組織は伸びにくいですが疎性結合組織は時間をかけるとゆっくりと柔軟性改善が見込める可能性が示されています。Sports Medicine – Open volume 8, Article number: 71 (2022) 

ストレッチを毎日行って、数ヶ月で体が柔らかくなってきましたっていうのはこの組織が伸びていることになりますね。

ストレッチの効果

ストレッチがもたらす生理学的な効果は前述していますが、他にも以下のようなものがあります。※前述したものは①、②が当てはまります。

  1. 筋肉や疎性結合組織の柔軟性向上: ストレッチは筋線維や疎性結合組織を引き伸ばし、柔軟性を向上させます。これにより、運動時の動きの範囲が広がります。
  2. 血液循環の改善: ストレッチを行うことで、筋肉の伸張と緊張の繰り返しにより、血液の循環が促進されます。これにより、酸素や栄養素が筋肉に適切に供給され、老廃物が排泄されやすくなります。老廃物が排出されるということは肩こりのような重だるい痛みであったり、「張り」に対して効果的です。
  3. 筋肉のリラックス効果: ストレッチは筋肉をリラックスさせる効果があります。緊張した筋肉を緩め、ストレスを軽減する助けとなります。ストレッチの後ってスッキリしますよね。精神的な効果もあるんですね。
  4. 運動前の準備: ストレッチは運動前に行うことで、筋肉や関節を準備し、急激な動きや運動中の怪我のリスクを減らす役割を果たします。適切なウォーミングアップと共に、ストレッチを行うことで筋肉の柔軟性を高め、パフォーマンスを向上させることができます。近年ではストレッチにより筋パフォーマンスが一時的に低下する可能性があるという報告もあり、競技直前のストレッチを行わない流れもあります。(一般的に知られている静的なストレッチではなく動的ストレッチの方が競技前はいいと言われてたりします)
  5. 姿勢の改善: 筋肉が柔軟性を維持することで、正しい姿勢を保つのに役立ちます。筋肉のバランスが整い、筋肉の緊張が軽減されることで、身体の姿勢が改善される場合があります。

これらの生理学的な効果により、ストレッチは身体の健康維持や運動パフォーマンスの向上、怪我の予防などに役立ちます。

ストレッチの種類

  1. 静的ストレッチ: 筋肉を一定の位置で伸ばし、一定の時間保持する方法です。ストレッチした状態を数秒間保持し、徐々に筋肉が緩むのを感じます。典型的な静的ストレッチには、ハムストリングと呼ばれる太腿の裏を伸ばす方法やふくらはぎのストレッチ、肩甲骨のストレッチなどがあります。
  2. 動的ストレッチング: 徐々に動かしながら行うストレッチ方法です。動的ストレッチでは、関節の動きを活用しながら筋肉を伸ばします。動きが入ることで反対側の筋肉は引き伸ばされますし、収縮-伸長を繰り返すことで筋肉を伸ばしたりします。
  3. 道具を使用したストレッチ: ポールやボール、壁、または他の道具を使用して、特定の筋肉グループを引き伸ばす方法です。道具を利用して行うストレッチは、より深いストレッチや特定の部位のターゲットとなるストレッチを可能にします。しかし、より引き伸ばされて怪我をしてしまうこともあるため注意が必要です。

ストレッチの方法

ストレッチを行う際には、次のポイントに留意することが大切です:

  • 優しく引き伸ばす: 急激な力で引っ張るのではなく、ゆっくりとストレッチを行い、筋肉を徐々に伸ばします。
  • 呼吸を整える: ストレッチを行う際に正しい呼吸法を使い、深く呼吸してリラックスさせます。
  • 痛みに注意: 強い痛みや違和感を感じた場合はストップし、無理に引っ張ったりしないでください。

個々の体調や運動能力に合わせて、ストレッチングのタイミングや方法を調整し、無理なく行うことが大切です。

ストレッチの注意点

ストレッチを行う際には、以下のような注意点に留意することが大切です。

方法と重複する部分もありますが、、

  1. ウォームアップを行う: ストレッチを行う前に、ウォーミングアップを十分に行ってからストレッチを始めることが重要です。ウォーミングアップにより、筋肉が温まり血流が増加し、柔軟性が向上します。冷えた筋肉を急に引っ張ると怪我のリスクが高まるため、ウォーミングアップは欠かせません。
  2. 痛みに注意する: ストレッチを行う際、強い痛みや違和感を感じた場合は無理をせず、無理なストレッチはむしろ怪我の原因になることがあります。ストレッチをゆっくりと行い、筋肉を徐々に伸ばしていきましょう。
  3. 呼吸を整える: ストレッチを行う際には正しい呼吸法を使い、深く呼吸してリラックスさせることが重要です。呼吸を整えることで筋肉の緊張を和らげ、ストレッチの効果を高めることができます。
  4. 安定した姿勢を保つ: ストレッチ中は安定した姿勢を保ち、バランスを取ることが大切です。怪我や転倒を防ぐために、広いスペースや適切な床の上で行いましょう。
  5. 個々の能力や体調に合わせる: 自分の体の限界を理解し、自分の能力や体調に合わせてストレッチを行いましょう。無理なストレッチはむしろ逆効果になることがあります。
  6. バランスを保つ: 特定の部位のストレッチに偏らず、全身のストレッチをバランスよく行うことが大切です。全身の筋肉グループを均等に伸ばすことで、姿勢や筋力のバランスを保つことができます。

これらの注意点を守りながら、安全で効果的なストレッチを行うことで、柔軟性や筋肉の健康を保ち、怪我を予防することができます。

以上ストレッチというものについてまとめてみました。

ストレッチも一つの運動療法となります。用量や用法が正しいと、とても効果の高い健康法となります。

どんなストレッチがいいのか分からないといったご意見ありましたら、インスタグラムでストレッチやエクササイズを紹介しているので、一度見てみて下さい。

1日5分のケアが将来の健康を作ります。

一緒に健康投資しましょう。

投稿者プロフィール

井ノ元 宏希
しなやかで軽い体を作る専門店コンディショニング&フィットネススタジオAlter代表。理学療法士歴15年。ICU〜在宅まで幅広く経験。認定理学療法士(運動器・呼吸器)、呼吸療法認定士、心リハ指導士。知っていることで悩みが解決することもあります。このブログで少しでもお力になれたらと思っています。