下位交差症候群って?腰痛と関連する筋肉のアンバランス

こんにちは!姫路市飾磨区にあるコンディショニング&フィットネススタジオAlterのHirokiです。

今回は腰痛の原因でも多いと言われている「下位交差症候群」についてお話したいと思います。

先日書いた「上位交差症候群」についても併せてお読みください。

下位交差症候群とは

下位交差症候群(Upper Crossed Syndrome, UCS)は、チェコスロバキアの医師であるウラジーミル・ヤンダ(Vladimir Janda)によって提唱されました。ヤンダ博士は筋骨格系の障害に関する世界的な権威であり、特に筋肉の不均衡と慢性的な痛みに関連する障害の研究で知られています。

彼の理論によれば、下位交差症候群は特定の筋肉群の緊張と弱化が交差することによって生じる姿勢の異常です。この症候群は、特に長時間の座位や不適切な姿勢が原因で発生しやすいとされています。ヤンダ博士のこの理論は、現代の理学療法やリハビリテーション分野において広く受け入れられ、多くの治療アプローチの基礎となっています。

どのような姿勢になるのか?

通常は重心が一直線に各部位を通って、このような姿勢になります。

しかし、下位交差症候群は腰の部分が前に突き出したような姿勢となります。その結果、腰の筋肉が硬くなってしまい、腰痛につながってきます。他の症状だと、お尻の筋肉が弱くなることで膝の痛みに関連したり、太ももの前が突っ張ったり、太くなったりします。

赤部分が使いすぎて硬くなっている筋肉、青い部分が弱ってしまっている筋肉になります。

ちなみに、痛みや張りなどの症状として出てくるのは「赤い部分」になります。

この部分が限界にくると痛みとして出てきます。

どうすればいいの?下位交差症候群の対策

下位交差症候群に対する対策は、主に筋肉のバランスを改善し、適切な姿勢を維持することに焦点を当てます。以下は、下位交差症候群の対策として有効な方法です。

ストレッチ

硬くなりやすい腸腰筋のストレッチと腰のリラクセーションをご紹介します。

腸腰筋のストレッチ

腰の筋肉のリラクセーション

筋力トレーニング

弱ってしまっている部分は強化が必要になります。

ここでは、お腹の筋肉とお尻の筋肉、ハムストリングスを同時に鍛えられる方法をお伝えします。

姿勢の改善

  • 常に背筋を伸ばして座ることを意識し、長時間同じ姿勢でいないようにしましょう。不良姿勢は「脳」が間違って真っ直ぐを覚えてしまっているとも言われています。常に鏡をチェックしながら真っ直ぐを意識するようにしてみましょう。
  • パソコンやスマートフォンの画面は目線の高さに合わせて、頭が前方に出ないように注意します。頭から崩れてしまうこともあるため、注意しましょう。

腹式呼吸を意識する

不良姿勢になっている場合、腹筋群に力が入っていないことが多いです。

腹式呼吸を心がけて、深い呼吸をすることで、肩や背中の筋肉が緩むことがあります。

まとめ

腰痛と言っても、原因はさまざまです。中でも下位交差症候群は、かなりの頻度で多い原因の一つになります。

この場合は、凝っている筋肉をマッサージするだけでは解決しません。

たくさんの弱ってしまっている筋肉にもトレーニングなどで強くすることで腰痛改善につなげていきます。

上記の対策でもなかなか解決が難しく腰痛で悩んでいる方は一度Alterにご相談ください。

投稿者プロフィール

井ノ元 宏希
しなやかで軽い体を作る専門店コンディショニング&フィットネススタジオAlter代表。理学療法士歴15年。ICU〜在宅まで幅広く経験。認定理学療法士(運動器・呼吸器)、呼吸療法認定士、心リハ指導士。知っていることで悩みが解決することもあります。このブログで少しでもお力になれたらと思っています。