身体の中心にある「腸腰筋」

こんにちは!姫路にあるコンディショニング&フィットネススタジオAlterのHirokiといいます。

今回は身体の中心にあるとっても重要な筋肉である「腸腰筋」についてお話したいと思います。

ちなみに腸腰筋は何で有名かと言いますと、、

サッカーのクリスチアーノロナウド選手や陸上のウサインボルト選手の腸腰筋が通常の人よりも発達していることで有名です。矢印にある筋肉ですが通常はこんなに浮き出ることはありません。

今回は、この腸腰筋についてのお話と最後に運動方法についてご紹介したいと思います。

腸腰筋とは

腸腰筋は、背骨からついている「大腰筋」と、寛骨という骨盤からついている「腸骨筋」が合わさった言葉になります。脊柱の側面から大腿骨にかけて走る大きな筋肉であり、主に股関節の屈曲と脊柱の安定化に関与しています。この筋肉群は腸骨筋と腰筋から構成され、腹部の深層に位置しています。

詳しい説明

解剖学的特徴

構成: 腸腰筋は主に大腰筋(Psoas Major)と腸骨筋(Iliacus)から構成されます。これらは腰部と骨盤に位置し、股関節において共通の腱を介して大腿骨小転子に挿入します。

起始と停止:

大腰筋: 脊椎の側面から起始し、T12(胸椎の12番目)からL5(腰椎の5番目)までの椎体と椎間板、および隣接する腰椎の横突起から起始します。

腸骨筋: 腸骨の内側の凹面(腸骨窩)から起始し、骨盤の内側に広がっています。

停止: 両筋肉は股関節近くで一つの共通腱となり、大腿骨の小転子に挿入します。

神経支配

大腰筋の神経支配

大腰筋は腰神経叢(Lumbar Plexus)からの枝によって支配されます。具体的には、腰椎の前枝(Anterior Rami)の第2腰椎(L2)から第4腰椎(L4)の神経による支配を受けます。これらの神経は大腰筋に直接枝を伸ばし、筋肉の収縮を制御します。

腸骨筋の神経支配

腸骨筋は大腿神経(Femoral Nerve)によって支配されます。大腿神経も腰神経叢の一部であり、腰椎の前枝の第2腰椎(L2)から第4腰椎(L4)の神経が合流して形成されます。大腿神経は腸骨筋に枝を伸ばし、筋肉の動きをコントロールします。

運動学的特徴

股関節の屈曲: 腸腰筋は股関節の主要な屈曲筋の一つであり、歩行、走行、階段の昇降などの動作に関与します。

体幹の屈曲: 腸腰筋は体幹を前方に屈曲させることもできますが、この動作は主に腰部において行われます。

骨盤の前傾: 腸腰筋の収縮は骨盤の前傾を引き起こすことがあります。これは立位や座位での姿勢に影響を与えることがあります。

腸腰筋が弱くなる習慣

腸腰筋は現代特有の習慣から力が落ちやすく硬くなりやすいと言われています。

では、どういった習慣が力を落としやすく、硬くなりやすいのでしょうか?

座り姿勢が長くなった

現代人特有ですよね。デスクワークや学校の授業など座る時間がかなり長くなりました。座る際は股関節を曲げるため、腸腰筋は縮んだ状態となっています。

この姿勢が長時間続くことで、動かさないことによる筋力低下、縮んでいる時間が長いことで硬くなってしまうという影響が腸腰筋には出てきてしまいます。

運動不足

これも現代特有だと思いますが、外で遊んだり運動したりする習慣て減っていますよね。

運動をしていたとしても昔よりは大きな可動域を使ったり、力を使ったりすることって減っています。

昔の公園ではいい意味で危ない遊具もたくさんありました。少し無理をしないと遊べなような遊具では股関節をしっかり動かすような運動を自然に行っていたため今の生活よりは腸腰筋を使うような動きが多かったと思います。

腸腰筋が弱くなってしまうと

では、腸腰筋が弱くなるとどういった問題が起こるのでしょうか?

大きな問題として「不良姿勢になる」ということが挙げられます。

ここで腸腰筋が影響を及ぼす代表的な不良姿勢を3つご紹介します。

スウェイバック姿勢

この写真で一番右の姿勢となります。

骨盤が真ん中の線よりも前に出てしまっていることを指しますが、色々な原因のうちで「腸腰筋」もこの不良姿勢の原因の一つとも言われています。

この姿勢を見ていただくと腰の部分のカーブが強くなっているのがわかると思います。

この姿勢が続くことで腰痛の原因に繋がったり、股関節の付け根の痛みに繋がったりします。

反り腰姿勢

反り腰姿勢も腸腰筋と関係が深いといわれています。

上の写真の右から2番目になります。

腸腰筋は腰の部分から大腿骨と呼ばれる太腿の前についている筋肉なので腸腰筋が硬くなってしまうと骨盤が前に傾くようになってしまいます。そのため、腰が反ったような姿勢となります。

この姿勢も先ほどのスウェイバックと同様に腰のカーブが強くなるため腰痛の原因になったりもします。

フラットバック

この姿勢は高齢の男性に多いとされている姿勢となります。

骨盤が後ろに傾いており、背骨も丸くなっています。

このような姿勢の場合、腸腰筋は弱くなってしまっているために骨盤が後ろに傾いてしまっています。

この姿勢も背骨が重心線より後ろになるために背骨は倒れないように頑張って支えないといけません。結果的に背筋や腰の周辺の筋肉が疲れてきてしまい、腰部痛や背部痛の原因となります。

以上、腸腰筋が弱くなったり、硬くなったりすることで起きてしまいやすい不良姿勢の紹介をさせて頂きました。

弱っているとどうなるかわかったけど、どうすればその「腸腰筋」が鍛えられるの?となりますよね。

そこで今回、Alterでもよく行っている腸腰筋のトレーニングを一つご紹介したいと思います。

腸腰筋のエクササイズ

ちなみに、反り腰の方の場合は腸腰筋が硬くなってしまっていることもよくあります。

腸腰筋のトレーニングの前にストレッチを行うことで、より効果的な運動となりますので、一度行ってみてください。

まとめ

腸腰筋の筋力低下や硬さは腰部痛に影響してきますが、不良姿勢から肩こりや肩の痛み、膝の痛みなどに繋がることも多いです。

一度ご自身が不良姿勢になっていないかを確認して、もし腸腰筋が弱っていそうだと思った場合は、今回ご紹介したストレッチや運動をしてみてください。

もう少し、身体の分析をしてほしい。自分に合ったトレーニングを選んでほしい。といったご要望がありましたらAlterまでご来店ください。

投稿者プロフィール

井ノ元 宏希
しなやかで軽い体を作る専門店コンディショニング&フィットネススタジオAlter代表。理学療法士歴15年。ICU〜在宅まで幅広く経験。認定理学療法士(運動器・呼吸器)、呼吸療法認定士、心リハ指導士。知っていることで悩みが解決することもあります。このブログで少しでもお力になれたらと思っています。