太ももの裏、硬くないですか?

こんにちは!姫路市にあるコンディショニング&フィットネススタジオAlterのHirokiです。

今回は、太ももの裏についている筋肉、「ハムストリングス」という筋肉が及ぼす影響とおすすめストレッチについてご紹介したいと思います。

身近なところでいうと、肩こりや首の痛み、手の上がりにくさや腰痛、膝の痛みと色々な症状につながる可能性のある筋肉になるので、参考までに読んでみてください。

太ももの裏の筋肉って?

ハムストリングスは、太ももの裏側にある筋肉群の総称です。この筋肉群は主に3つの主要な筋肉から構成されており、膝の屈曲(曲げる動作)、股関節の伸展(太ももを後ろに引く動作)に関与しています。ハムストリングスの筋肉は以下のとおりです:

  1. 大腿二頭筋(Biceps Femoris):
    • この筋肉には長頭と短頭の2つの部分があります。
    • 長頭は股関節の伸展に関与し、短頭は主に膝の屈曲に関与します。
  2. 半膜様筋(Semitendinosus):
    • 太ももの内側に位置し、膝の屈曲と股関節の伸展の両方に関与します。
  3. 半腱様筋(Semimembranosus):
    • 半膜様筋に近く、半膜様筋と同じように膝の屈曲と股関節の伸展に関与します。

これらの筋肉は、歩行、走行、ジャンプ、自転車こぎなど、日常生活やスポーツ活動において色々な役割を果たします。ハムストリングスの強さと柔軟性は、これらの動作の効率性と効果性に直接影響を与え、怪我のリスクを減らし、パフォーマンスを向上させることができます。

ハムストリングスってどういう人が硬くなるの?

ハムストリングスが硬くなりやすい人には、いくつかの共通点があります。これには生活習慣、運動習慣、職業などが関係しており、以下のような特徴を持つ人が該当することが多いです:

  1. 座り仕事が多い人:
    • 長時間座っていると、ハムストリングスが縮んだ状態で固定され、柔軟性が失われやすくなります。デスクワークや長時間車を運転するようなお仕事の方、学生も座っていることが多いので当てはまります。
  2. 運動不足の人:
    • 定期的な運動が不足していると、筋肉が硬くなりがちです。ハムストリングスがしっかり伸びるのは、足を大きく前に出すような姿勢になりますが、最近では子供も含め足を大きく出すようなことがなくなっているので柔軟性も低下しやすくなります。
  3. スポーツ選手:
    • 高い強度のトレーニングや競技を行うスポーツ選手は、ハムストリングスに大きな負荷をかけるため、過度の使用や怪我により筋肉が硬くなりやすいです。
  4. 年齢が高い人:
    • 年齢と共に筋肉の柔軟性は自然と低下するため、高齢者はハムストリングスが硬くなりやすい傾向にあります。不良姿勢とも関連があり、のちほど説明します。
  5. ストレッチ不足の人:
    • 定期的なストレッチを行わない人は、筋肉の柔軟性が低下し、特にハムストリングスが硬くなりがちです。
  6. 姿勢が悪い人:
    • 不適切な姿勢、特に「スウェイバック」と「フラットバック」という姿勢は、骨盤と脊椎のアライメントに影響を及ぼし、ハムストリングスが短くなってしまう傾向にあるため、姿勢の修正という意味でも柔らかさが必要になります。ただ、①ハムストリングスが硬くて不良姿勢になった。②不良姿勢だからハムストリングスが硬くなった。に分かれるため、このあたりの評価は必要になります。

スウェイバック

スウェイバックは、骨盤が前に移動している姿勢のことを指します。この姿勢では、お腹が前に出てしまい、胸が下がり、肩が後ろに落ちる傾向があります。一般的に、重心が通常よりも足の後ろに位置し、立っているときのバランスに影響を与えることがあります。スウェイバックは、長時間の座り仕事や不適切な姿勢、筋力不足によって発生することがあります。

この姿勢の方はハムストリングスが一般的に硬くなっています。

フラットバック

フラットバックは、高齢の男性に多い姿勢となります。脊椎の自然な曲線が失われ、特に腰椎部分が平らになる姿勢のことを指します。この姿勢では、通常腰にある前方向の湾曲(腰椎前弯)が減少または消失し、背中が平らに見えます。フラットバックの人は、立ったり座ったりするときに正しい姿勢を維持するのが難しくなることがあります。フラットバックは、長期間の不良姿勢、特定のスポーツや活動、加齢による脊椎の変化、または手術後などに発生することがあります。

この姿勢も一般的にハムストリングスが硬い傾向にあります。

ハムストリングスが硬い人はどういう影響があるの?

ハムストリングスが硬いということはさまざまな症状に影響を及ぼす可能性があります。

ハムストリングスが硬くなることで太もも裏の「肉離れ」を起こしやすくなることは想像しやすいかと思います。

それ以外にもさまざまな症状の原因につながります。

例えば、先ほど挙がった「不良姿勢」に関しては、スウェイバック姿勢が腰痛を引き起こす原因になったりします。(このパターンは多いです)

ハムストリングスが硬くなってしまうことで「骨盤」の前後の傾きに制限が起きてしまいます。そうなると、骨盤は後ろに倒れたままか、スウェイバックであるように、腰が前に出てしまう姿勢を取ってしまいます。この姿勢は腰部分の一部にストレスがかかってしまうため腰痛で悩まされることになります。

実際腰痛のある方はハムストリングスの柔軟性が低下している人が多いです。

肩こりや肩の動きにくさにもつながる原因は、やはり「不良姿勢」からつながります。

スウェイバックはしばしば、猫背を併発してしまうため、肩甲骨の動きが悪くなることや、頭部の位置が前に傾くことによって肩こりや肩の痛みにつながってしまいます。

あとは膝の痛みです。ハムストリングスの中でも「半膜様筋」という筋肉は膝関節のクッションである半月板に引っ付いているとも言われています。ハムストリングスが硬くなってしまうことで、半月板の動きを阻害してしまい、半月板をいためてしまう可能性があります。

まとめますと、ハムストリングスが硬くなることで腰痛、肩こりや肩の痛み、膝の痛みに関連してきます。

ハムストリングスを柔らかくする方法はありますか?

最後にここまで述べてきた「ハムストリングス」の柔軟性を出すためのおすすめエクササイズ&ストレッチを紹介します。

この方法は自分の力でハムストリングスをストレッチするため、安全ですし、太もも前側の筋肉トレーニングにもつながります。

とても良い方法なので、一度試してみてください。

投稿者プロフィール

井ノ元 宏希
しなやかで軽い体を作る専門店コンディショニング&フィットネススタジオAlter代表。理学療法士歴15年。ICU〜在宅まで幅広く経験。認定理学療法士(運動器・呼吸器)、呼吸療法認定士、心リハ指導士。知っていることで悩みが解決することもあります。このブログで少しでもお力になれたらと思っています。