体幹筋と腰痛の関係
「腰痛の対策には体幹筋を鍛えましょう!」よく聞きますよね。
腰痛には体幹筋が必要→体幹筋と言えば腹筋とプランク!みたいな流れはあるかと思います。
なぜ腰痛なのに腹筋が必要なんでしょうか?本当に腹筋で腰痛は改善するのでしょうか?
今回は腰痛と体幹筋との関係、おすすめのエクササイズについてご紹介していきたいと思います。
体幹筋とは
体幹筋は、大きく分けて深層筋(インナーマッスル)と表層筋(アウターマッスル)の2種類に分類されます。腰の安定性に関わる主要な筋肉群は、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋、横隔膜といった深層筋であるインナーマッスルですが、コアユニットと呼ばれる筋群になります。関節との位置関係から大きな動きには関与しておらず、細かな動きや安定性に関与しています。これらの筋肉がしっかりと働くことで、腰椎(腰の骨)の安定性が保たれ、腰への負担が軽減されます。
この腰への負担という意味では人間が行動するときに起こるエネルギーは同じです。
そのエネルギーをどこで吸収するかが問題で、理想をいえば多くの関節が満遍なく吸収するのが理想になります。
そうなると、細かな筋肉が動くことによって多くの関節にエネルギーを吸収させることが良いということになります。
腰に負担のかからないメカニズム
腹圧による安定性
体幹筋、とりわけ腹横筋や横隔膜は、腹腔内圧(腹圧)をコントロールする役割を担っています。腹横筋が収縮すると、腹圧が適切に上昇し、これが内側から腰椎をサポートする効果を生み出します。腹圧が適度に高まることで、腰椎にかかる負荷が分散され、腰への過剰なストレスを防ぎます。
腹圧による安定性は上のイラストのようなイメージになります。
後ろにある筋肉は細くて、引っ張るような力を加えないといけません。一方、腹筋群は腹斜筋や腹横筋、腹直筋と多くの筋肉がついており、前方から腹圧をかけることで腰を支えることができるということになります。
多裂筋の働き
多裂筋は、背骨の各セグメントを細かくサポートする筋肉群です。この筋肉が適切に働くことで、腰椎の微細な動きの制御が可能になり、無理な動作や姿勢の崩れによって腰を痛めるリスクが軽減されます。多裂筋が弱まると、腰椎の動きが不安定になり、特に前屈やねじれ動作で腰に過剰な負担がかかりやすくなります。
多裂筋は腹横筋と呼ばれるコルセットのような筋肉と胸腰筋膜を介してつながっていると言われています。
そのため、多裂筋をしっかり働かせるためには腹横筋にも力が入らないといけません。
骨盤底筋と横隔膜との関係
骨盤底筋と横隔膜は、腹横筋と共に体幹の内圧システムを形成しています。このシステムが正しく機能すると、動作時に腰が適切に支えられ、安定した動きを維持できます。特に、ピラティスでは呼吸法を取り入れたエクササイズが行われ、横隔膜と骨盤底筋が連動して働くことにより、体幹全体が安定し、腰に負担をかけない体の使い方が習得できます。
イメージとしてはこれも上にあったイラストと同じで、風船を作る筋肉になります。
風船の中でも横隔膜が上、骨盤底筋群が下ということになります。力を入れる時に息を止めますよね?横隔膜を使って圧を上げようとしています。
骨盤と腰椎とのアライメント
体幹筋が強化されると、骨盤と腰椎の適切なアライメントが維持されます。例えば、腹横筋が弱い場合、骨盤が前傾しすぎて腰椎に過剰な圧力がかかり、腰痛を引き起こすことがあります。ピラティスのエクササイズでは、骨盤と腰椎を適切な位置に保ちながら動くことを学び、これにより、腰への負担を最小限に抑えることができます。
ピラティスで体幹筋を強化し、腰を守る
ピラティスのエクササイズは、上記で述べた体幹筋をバランスよく鍛えることで、腰への負担を減らすのに最適です。特に、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋、横隔膜の連携を意識した動きが多く取り入れられており、これにより腰の安定性が向上します。
おすすめのエクササイズ
上記のことを踏まえておすすめのエクササイズの紹介をします。
①腹横筋や腹斜筋などの運動になります。
②副斜筋にしっかり力が入るエクササイズ
今回ご紹介した腰痛は椎間関節性の腰痛や筋・筋膜性腰痛症の方を想定したエクササイズ、お話となっています。
強い腰痛や徐々にひどくなっている腰痛など、まずは医師にみてもらうようにしましょう!
投稿者プロフィール
- しなやかで軽い体を作る専門店コンディショニング&フィットネススタジオAlter代表。理学療法士歴15年。ICU〜在宅まで幅広く経験。認定理学療法士(運動器・呼吸器)、呼吸療法認定士、心リハ指導士。知っていることで悩みが解決することもあります。このブログで少しでもお力になれたらと思っています。
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