メディカル側弯トレーナー養成講座を受講してきました。

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先日、メディカル側弯トレーナー養成講座を受講してきました。

メディカル側弯トレーナーは、側弯症の特徴を深く理解し、矛盾の少ない理論で運動療法を組み立てていく医療従事者向けの専門資格・専門講座です。講座内容には、側弯症の医学的理解、分類や評価、呼吸や可動性へのアプローチ、日常生活を含めた運動療法、さらにレントゲン・写真・動画を含む症例検討まで含まれており、かなり実践的な内容でした。

側弯症は、背骨が単に横に曲がるだけではなく、回旋を伴う三次元的な変形です。日本側彎症学会でも、側弯症は「脊柱が側方へ曲がり、そのうえ、ねじれも加わる病気」と説明されています。特に特発性側弯症は思春期に多く、女子に多いことが知られています。

今回私が受講した理由は、側弯に対してもっと体系的に、そして医療的な視点を持って関わりたいと思ったからです。
「姿勢が悪いから整えましょう」「ピラティスで真っすぐにしましょう」というような単純な話ではなく、何を見て、何を根拠に評価し、何を目標に介入するのかを、もっと深く学びたいと思っていました。


側弯は、見た目だけでは評価できない

講座を通して改めて強く感じたのは、側弯は見た目や体感だけで判断してはいけないということです。

前屈テストや姿勢観察はとても大切ですが、それだけで正確な診断はできません。日本側彎症学会でも、前屈テストで異常があっても側弯症と断定はできず、正確な診断にはレントゲン撮影が必要とされています。

また、レントゲンでは単に「右に曲がっている」「左に曲がっている」だけではなく、どの部位が、どの方向に、何度曲がっているのか、いわゆるCobb角、弯曲部位、シフト、回旋などを客観的に確認していきます。こうした情報は、進行リスクの判断や、運動療法・装具療法・経過観察の方針を考えるうえでも非常に重要です。

今回の講座でも、症例ごとにレントゲンを細かく見ながら評価を進めていきましたが、一人として同じ側弯はないことを改めて実感しました。
同じ「胸椎右凸」のように見えても、角度も違えば、回旋の程度も違う。どこでバランスを取っているかも違う。だからこそ、表面的な分類だけでは不十分で、個別評価が欠かせないのだと感じました。


側弯は「ピラティスで治る」と言い切れるものではありません

私自身ピラティスに携わっていますが、今回の学びを通して、さらにはっきり思ったのは、側弯に対して“ピラティスをすれば何とかなる”と安易に考えてはいけないということです。

日本側彎症学会でも、側弯症に特化した運動療法について研究は進んでいる一方、運動療法だけで十分に治ると単純には言えず、専門医による定期的な診察が必須とされています。

つまり、運動は大切です。
でもそれは、「何でもいいから動けば良い」という意味ではありません。

側弯のタイプ、年齢、骨成熟度、進行リスク、現在の角度、回旋、生活背景などを踏まえた上で、その方に合った内容を選ぶことが重要です。
ピラティスも、その人に必要な呼吸、伸長、支持、左右差のコントロールを考えて使えば有効な一手段になり得ますが、ピラティスそのものが側弯を魔法のように解決するわけではない。この視点は、今後も大切にしたいと思っています。


生活の動きまで見ないと、本当の評価にはならない

もう一つ、今回とても重要だと感じたのが、生活環境や日常動作まで含めて評価することです。

レントゲンで骨の情報を把握することはもちろん大切ですが、実際の身体は、日常の座り方、立ち方、呼吸の仕方、荷重のかけ方、歩き方、仕事や家事での使い方など、日々の積み重ねの中で機能しています。
そのため、静止画としての身体だけではなく、普段どう動いているのか、どこで代償しているのか、どうバランスを取っているのかまで見ていかないと、本当に必要なアプローチは見えてきません。

講座の中でも、骨形態だけでなく、頭部や口腔を含めた全身評価、呼吸、姿勢制御、生活習慣まで、細かな視点で見ていく必要性を学びました。
側弯を「背骨だけの問題」にしないこと。これは今後の臨床でもとても大切にしたい視点です。


成長が止まったあとも、経過を見ていくことが大切です

側弯症は、特に成長期に進行しやすいことが知られています。発症年齢が若く、成長の残りが長いほど進行しやすい傾向があります。

一方で、成長が終わればすべて安心、というわけでもありません。
日本側彎症学会では、一般には成長終了後に急速進行することは少ないとしつつ、高度の弯曲がある場合や特殊な原因による側弯では、成長後も少しずつ進行することがあるとされています。

そのため、必要な時期に必要な評価を行い、進行リスクを見ながら対応していくことがとても大切です。
「今痛くないから大丈夫」「昔からこうだから」で済ませず、今の状態をきちんと把握することが第一歩だと感じています。


Alterでの側弯に対する考え方

Alterでは、側弯に対しても**“とりあえず運動する”のではなく、まず評価を大切にする**ことを重視しています。

見た目の左右差だけで判断するのではなく、医療機関とも連携しながら、レントゲン所見、姿勢、呼吸、身体の使い方、日常生活動作まで含めて考えていきます。
そのうえで、今その方に必要なメンテナンスや運動、セルフケアを組み立てていきます。

もちろん、ピラティスはその中で有効に活かせる場面があります。
ただしそれは、「ピラティスをすれば側弯が治る」という意味ではなく、評価に基づいて適切に使うことに意味があると考えています。


側弯でお悩みの方へ

もし、側弯でお悩みの方、学校検診などで指摘を受けた方、姿勢の左右差や背中のねじれが気になっている方は、一度公式LINEからご相談ください。

連携病院でレントゲン撮影をお願いすることとしています。
正確な評価のためには、実際の背骨の情報を確認することが大切な場合があるからです。

「まず何をしたらいいかわからない」
「運動していいのか不安」
「病院に行くべきか迷っている」

そんな段階でも大丈夫です。
今の状態を整理するところから、一緒に考えていけたらと思います。


最後に

今回の講座では、側弯症に関する最新の考え方や世界の動向、詳細な評価、実際の症例検討まで、本当に多くの学びがありました。
そして何より、一人ひとりの身体を丁寧に見ていくことの大切さを改めて感じました。

論文や研究から全体の傾向を学ぶことはとても重要です。
その一方で、目の前の一例一例を、先入観なく、丁寧に把握していくことも同じくらい大切です。
今回の学びを、今後の施術や運動指導にしっかり活かしていきたいと思います。

講師の先生方、ご一緒した皆さま、ありがとうございました。

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