筋力トレーニングで筋力が低下する筋肉

身体の仕組み

題名からして怪しいですよね。

実は筋力トレーニングは万能ではありません。

どんな筋肉も鍛えれば強くなると思うかもしれません。

しかし、そんなことはなく筋力トレーニングの部位によっては筋力低下が起きてしまう可能性があります。

それはどうしてか?

ヤンダアプローチを提唱したヤンダ先生が書籍でこのように書いています。

抑制され、弱った筋が筋力エクササイズの目的で抵抗運動を行うと、その活動性は増大するというより、むしろ低下する傾向にある

Janda 1987

これにはいくつかの理由があります。

人間の体は全てがニュートラルの状態ではありません。

とくにこの現代に置いて、座り仕事が多かったり、動きの多様化が少なくなったり、携帯やパソコンが普及したりして、ヒトの姿勢(アライメント)に変化が起きてきています。

それをヤンダ先生は「マッスルインバランス」からくるものと言及しています。

マッスルインバランスとは、筋肉を動かす筋肉と、反対に力が抜ける筋肉がバランス良く活動しています。このバランスが崩れることで、姿勢が変異したり、同じ場所にストレスがかかるようになって不調を来たすというものです。

このマッスルインバランスによって、硬くなる筋肉と、伸びきってします筋肉に分かれてしまいます。

例えば、、

今の日本人に多い「ストレートネック」

これはデスクワークや携帯の見過ぎ(不良姿勢)で、頚部の後方筋肉である後頭下筋群が硬くなってしまって、反対に頚部の前方にある深層頚部前屈筋が緩んでしまって、亀の首のような姿勢を取ってしまうことを言います。

この筋肉で考えると、弱っている「頚部前方の屈筋」を鍛えたくなります。

しかし、後頭下筋群の短縮や短縮による筋収縮が促されている状態だと反射的に相反抑制が働いて前方の筋肉に力が入らない状態となります。

この場合、どのようなアプローチがいいのかというと

後頭下筋群のストレッチを行うことで、自動的に前方の筋力が上がるといった現象が起きてきます。

神経学的弱さと構造的な弱さを区別することは重要なことである。多くの場合、硬い拮抗筋が伸ばされると、弱く抑制された筋は自動的に力が増大する。

Janda 1987

バランスが整った状態で、筋力トレーニングをすることで適切な運動負荷が入るといったことになります。

盲目的な筋力トレーニングが、逆に体を悪くしているといったことも考えられるので注意が必要となります。

最近はここに対して、いろいろなアプローチを考えていますが、この二つを同時にアプローチする運動方法であれば効果が出ます。

Alterではただ筋トレではなくて、このバランスも考えながらストレッチなどのコンディショニングを併用することで正しい運動プログラムを提供しています。

どんな運動をすればいいか迷っている方、体にお悩みの方など是非Alterへ来てください。

ちなみに人間の体は本当に不思議なことがいっぱいあります。

効率を追求するために非効率になっていたり、スゴすぎるほど環境に適応したり、、

奥が深くて、いくら勉強しても間に合いませんが、生きているうちはずっと追求していきたいと思っています。

追求した結果、シンプルなアプローチにたどり着くこともあるかと思いますが、色々冒険した上でのアプローチと、何も知識がない状態で行う同じようなアプローチは全然違うと思っています。

神は細部に宿ると言いますが、意識することは細かく、考えはシンプルに追求していきます。

運動はただ軽くするだけでいろいろな素晴らしい効果を示してくれます。

ではこの運動をとことん突き詰めたアプローチをすると、もっと素晴らしい効果が待ってると思います。

人生を豊にする「運動」

これを使った仕事につけていることに幸せを感じます。

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