変形性股関節症の原因「累積負荷」
こんにちは!
姫路市飾磨区にあるコンディショニング&フィットネススタジオAlterのHirokiです。
今回は股関節の痛みの原因で多い「変形性股関節症」の研究で最近注目されている「累積負荷」についてわかりやすく説明したいと思います。
まず変形性股関節症ですが、股関節が色々な原因によって変形を起こしてしまい動きの制限が起きたり、痛みが出たりすることを言います。
痛みや動きの制限が出るので歩き方も体を傾けたような歩き方になってしまい自然ではなくなってきます。
この変形性股関節症は徐々に進行してしまい、最終的に人工関節の手術をされる方も多くおられます。この変形性股関節症が進行する原因として、骨の異常や加齢、性別など複数の要因が疾患進行に関わることが明らかになっていましたが、力学的な視点からは明らかになっていませんでした。
そんな中、京都大学の建内先生が近年「股関節累積負荷」を提唱しました。
股関節累積負荷とは、歩行1歩でかかる股関節の負荷に1日の歩数を掛け合わせた数値のことで、この累積負荷が大きいほど変形性股関節症の進行が早くなることを証明しました。
簡単にいうと、負担のかかる身体構造をしている方が、1日の歩数が多いほど股関節にかかる負担が大きくなるというものです。
例えばお尻の筋肉は10個程度ありますが、この筋肉のバランスが崩れていると部分的に負担がかかります。その状態で1日動きっぱなしになると負荷は大きくなっていきますよね。
運動しよう→ウォーキングになることが多いですが、そのように考えていると、その1歩1歩が股関節に負担のかかるものであれば、歩けば歩くほど病態が進行してしまう結果となります。
この論文は変形性股関節症に限定されていますが、肩関節周囲炎や変形性膝関節症、腰痛症など全てに当てはまると思っています。
各関節や筋肉に負担のかかる身体構造になっていると、使えば使うほど痛みや身体を壊してしまう結果となります。
Alterでは、この負担となる身体ストレスをできるだけ減らすことで、負担のかからない体作りを目指しています。
ちなみに股関節累積負荷の大きくなる要素は
「立位における脊柱の前傾変位」「脊柱柔軟性低下」が股関節症進行と関連したと報告されています。
股関節が悪いから股関節に電気を当てる。マッサージをする。ただ、その時の痛みを取りたいという対症療法としてはいいかもしれませんが、根本的な解決にはなっていません。
全身からどうしてその部分に負担がかかっているのかを分析して適切なバランスに整えていく必要があります。
一度ご自身の体をしっかり評価してみませんか?
コンディショニング&フィットネススタジオAlter代表。理学療法士歴15年。ICU〜在宅まで幅広く経験。認定理学療法士(運動器・呼吸器)、呼吸療法認定士、心リハ指導士。論文執筆経験あり。関節ファシリテーションや運動器エコー、ピラティスなどを学んでおり体について悩んでいる人を運動療法で救っていきたいと思っています。