ピラティスは目的か、手段か
こんにちは!コンディショニング&ピラティススタジオAlterのHirokiです。久しぶりにブログ風で自分の思っていることを書こうと思います。
今回はテーマでもあります「ピラティスは目的か、手段か」です。
ピラティスが流行しており色々なところで目にするようになりました。
僕自身、理学療法士として働いた時にピラティスを知ったのは4-5年前のコロナが始まった時期。
この頃から流行っていたと思うので、その流行りがなければ目に触れることはなかったかもしれないです。
この頃からすでにピラティスの人気は高まりつつあり、もしこの流れがなければ、もしかするとピラティスに触れることもなかったかもしれません。
そう考えると、時代の流れがあったからこそピラティスに出会えた ということに、今は感謝しています。
僕がピラティスの一番の特徴だと思うのは、「体のバランスを整えること」 です。
人の体は、子どもの頃から常に筋肉のバランスを取りながら成長していきます。
しかし、日常生活の習慣や動きのクセ、長時間のデスクワークや運動不足によって、筋肉のバランスが崩れることが多くなります。
例えば、「片方の肩が下がっている」「腰が反りすぎている」「猫背になっている」 など、知らず知らずのうちに体に負担がかかる姿勢になっていることがあります。
このバランスの崩れは「強い筋肉」と「弱い筋肉」に分かれていくのですが、日常生活で使われるのは「強い筋肉」なので、弱い筋肉は使われないまま徐々にバランスの崩れの「差」は広がっていきます。
ウォーキングをしていても、ジョギングをしていても、また筋トレをしてもこの差が縮まることはありません。
不良姿勢というのは強い筋肉と弱い筋肉のバランスが崩れることで起きるものなので、ウォーキングをしていても猫背や反腰が治らないのはこのためです。
では、どのように差を縮めていくか。
ここで登場するのがピラティスになります。
ピラティスは、こうした体のバランスを整え、より機能的で快適な動きができるようにサポートするエクササイズ です。
ここで本題に戻ります。
ピラティスをやる人の中には、「ピラティスをすること自体が目的」 という方もいれば、「何かを達成するための手段」 と考える方もいます。
どちらが正しいということはなく、どちらの考え方もあっていいと思います。
ただ、僕自身は 「ピラティスはあくまで手段」 だと考えています。
ピラティスは筋肉のバランスを調整するのにとてもいいメソッドになっていますが、エクササイズの種類が数百種類とたくさんあります。
これをどのように選んでいくかが大切で奥が深いです。
目の前の方の体のバランスを評価した上で、そのバランスを整えるためにエクササイズを選択していく。
「バランスを整える」ということが目的になっていて、ピラティスは手段になります。
例えば、
- 「肩こりを改善したい」→ 僧帽筋を抑制しながら前鋸筋に力を入れる→ピラティスのエクササイズ
- 「腰痛を改善したい」→ 多裂筋を抑制して腹斜筋に力を入れる→ピラティスのエクササイズ
- 「膝の痛みを改善したい」→ 腸脛靭帯を緩めて半膜様筋に力を入れる→ピラティスのエクササイズ
このように、ピラティスは「目的を達成するための手段」として、活かしていくことを考えています。
ピラティスをしていると、いつの間にかピラティスをすること自体が目的になってしまうことがあります。どれだけ綺麗に動けるか、ただルーティーンとしてエクササイズをこなすことに意識が向き、本来の目的を見失ってしまうこともあります。
だからこそ、セッションの前には必ず目的を明確にするようにしています。
今日のエクササイズは何のために行うのか。どこを意識し、どんな変化を感じたいのか。ただ動くのではなく、目的を持って取り組むことで、ピラティスはより意味のあるものになる。
今回の文章は、そんな自分へのリマインドとして書きました。

コンディショニング&ピラティススタジオAlter代表。理学療法士歴15年。ICU〜在宅まで幅広く経験。認定理学療法士(運動器・呼吸器)、呼吸療法認定士、心リハ指導士。論文執筆経験あり。関節ファシリテーションや運動器エコー、ピラティスなどを学んでおり体について悩んでいる人を運動療法で救っていきたいと思っています。