凝りとは
肩が凝っている、腰が凝っている、首が凝っている
凝ったことのない人はいないぐらい身近で聞く言葉「凝り」
凝りってなんでしょうか?
この原因を知ることで、、
マッサージや温泉は気持ちよくなるけど、すぐに戻ってしまう
長時間同じ姿勢を取っていると身体が凝ってしまった
など、どうしてそのようになってしまうのか
予防方法について理解がしやすくなると思います
凝りの原因
一般的な「凝り」は筋肉で起きることを指します
この凝りの原因は「筋肉の中の血行不良」が原因となります
少し、細かいお話をします
筋肉は力が入る時に、筋肉の線維が縮むように動きます
この縮みが骨を動かして、身体の動きになります
筋肉の線維が縮むときは「ATPというエネルギー」を使います
このエネルギーを使って筋肉を動かすには酸素を使うパターンと酸素を使わないパターンがあります
酸素を使うパターンは効率が良く、たくさんのエネルギーを作ることができますが、酸素を使わないパターンは作られるエネルギーが少なく乳酸という酸が出てきてしまいます。
この酸が血液を酸性に傾けてしまい、疲労の原因となっていきます
短距離走などは無酸素のエネルギーを使うため、効率が悪く長続きしないというのはこういう生理学的な仕組みがあることが原因となっています
長く疲れにくい運動をするには「酸素」が必要だということは分かって頂いたと思いますが、この酸素が筋肉に送られるには「血流」が必要になります
血流が酸素を筋肉へ送ることで、筋肉がしっかり動くということになります
大まかに筋肉を動かすときのエネルギーのお話をしましたが、実は筋肉は力を入れる時だけではなく、筋肉を緩める時もエネルギーが必要になるんです
ここがとても重要なポイントです
血流が乏しく、酸素が筋肉に運ばれないと、筋肉は緩むことができなくなるということになります
「凝り」は、この緩まない筋肉によって起きているということになるので、酸素が運ばれずに緩むことができないことでできてしまったものになります
ちなみに、「死後硬直」も死んだ後は血流がなくなるため、筋肉に酸素を運ぶことができず、筋肉が緩むことができなくなってしまうために起こるものとされています
この理論を知っていることで、色々と納得する部分が出てくるかと思います
例えば、マッサージで筋肉が緩んだり、温泉で温まることで緩んだり
これはマッサージや温泉によって血流量が上がってくることで、凝りができにくい身体になっているということになります
ではどうして、張りというものは戻ってしまうのか
それに関しては元々の筋力や、姿勢、環境に影響を受けるからになります
筋肉の中の血管
筋肉に酸素を送る血管は、木のように幹から枝に分かれていきます
別れることで隅々にまで栄養を行き渡らせているのですが、枝と一緒で端っこの方は細くなっています
この端っこの血管が筋肉の中の血管ということになります
想像して頂くとイメージがつきやすいと思いますが、筋肉に力が入るとどうなるのか?
細い血管は筋肉に力が入ることによる圧力によって潰されてしまいます
ある研究では筋肉の最大収縮の50-60%で筋肉の中の血流量が低下すると言われています
筋肉の中にも初めからエネルギーが少し蓄えられていますが、すぐに使い果たしてしまうので長時間の持続的な筋肉の発揮は凝りに繋がってしまいます
この血管は糖尿病や運動不足で弱くなってしまい、有酸素運動で強くなるとされています
そのため、糖尿病の方や運動不足の方は筋肉への血流が最も低下しやすい睡眠時間(副交感神経優位)に酸素が筋肉にいきにくくなるので、足が攣りやすくなります
同様に血流ということになるので、脱水や貧血(酸素を運ぶトラック的な存在)も凝りに繋がりやすくなるので、注意が必要になります
根本原因で多い姿勢の問題
凝りの原因で多いのは姿勢の問題です
先ほどお話したように、持続的な筋肉の収縮で筋肉内の血流は乏しくなってしまいます
姿勢が悪くなると、一部に力が入り過ぎてしまい、一部は力が入らずに弱くなる一方、、
これが長年積み重なることで、凝りやすい筋肉と、弱ったままの筋肉に分かれてしまい、マッサージだけでは症状が取りきれないということに繋がってきてしまいます
よく円背の方でみるような姿勢で例えてみます
長年の不良姿勢で、背骨が丸くなり、頭が前に偏移してしまいます。そうなると、頭や肩甲骨を支えている筋肉や腰の筋肉に力が入ったままとなるために筋肉が張ってしまい、長期間続くことで筋肉が萎縮してしまいます
凝りに対してできること
ここまでのお話から、凝りに対してできることはなんとなく分かって頂けたかと思います
凝りに対して根本的に治していこうと思うと、普段の姿勢や動作のクセにまで関わっていかなければならなくなります
バランスよく身体の筋肉をつけるっていうことは結構難しいことになります
腹筋とか腕立て伏せとか、運動しようって思った時に思い浮かぶトレーニングは偏っていますし、自分に合っているのか分からなくなってしまいます
自分でできる方法としては全身の姿勢を鏡で確認して、自分がどのような姿勢になっているのか、姿勢を正した時にどの部分の筋肉が辛くなるのか、
そういったことがトレーニングのヒントになるかと思います
もし、真剣に治していきたいとなるならお手伝いさせて頂きます
Alterではお客様の身体をしっかり評価して、その人にあったオーダーメイドの運動やコンディショニングを実施していきます
ご興味ありましたら是非お問合わせください
コンディショニング&フィットネススタジオAlter代表。理学療法士歴15年。ICU〜在宅まで幅広く経験。認定理学療法士(運動器・呼吸器)、呼吸療法認定士、心リハ指導士。論文執筆経験あり。関節ファシリテーションや運動器エコー、ピラティスなどを学んでおり体について悩んでいる人を運動療法で救っていきたいと思っています。