五十肩について
こんにちわ!AlterのHirokiです。
今日は肩の痛みについてお話します。
そもそも、肩痛といっても範囲が広いですよね。人によっては腕の外側から首近くまで肩といったりします。
この肩痛で多いのが五十肩と呼ばれる「肩関節周囲炎」になります。
痛みの出方もそれぞれありますが、多いのは肩の先端部分や、肩の少し前、外側が中心となります。
肩関節周囲炎は肩関節を構成する組織のどこかが炎症を起こすことで、腕が上がらなくなったり、痛くて夜眠れなくなるなどの症状が出てきてしまいまい、ひどい方は拘縮肩や凍結肩と言って関節の可動性が制限されてしまうといった症状まで出る方もいます。
よく、「五十肩はないですけど、四十肩ならあります」とか言われる方もいますが、この年代に多いという理由だけであって、根本的には同じ意味になります。
では、肩関節周囲炎ってどこの組織が多いのでしょうか。
肩関節周囲炎の原因組織
肩関節周囲炎には原因となりやすい組織がいくつかあります。
肩関節の中でも矢印部分の肩峰下滑液包や烏口上腕靭帯と呼ばれる組織が、炎症を起こすことで肩が上がりにくくなったり、痛みを誘発してしまいます。
肩峰下滑液包は「夜間時痛」の原因とも言われており、原因組織として重要な組織になります。
「五十肩」や「肩関節周囲炎」というのは「肩のあたりが炎症起こしている」というニュアンスになります。
そうではなくて、「肩峰下滑液包炎」や「烏口上腕靭帯炎」など組織を特定することができますし、特定することでターゲット組織が変わるので治療をする上では重要になります。
五十肩の原因
では、この肩峰下滑液包や烏口上腕靭帯はどのように傷めるのか。
それは、「組織の挟み込み」があると言われています。
通常の肩関節では挟み込みが起こることはありません。
しかし、肩関節の中でも腕の骨が前に出てしまっていると、手を上げるときに挟まってしまいます。
腕の骨が前に出るということは「obligate translation(オブリゲートトランスレーション)」と呼ばれており、肩関節後方の筋肉が硬くなってしまうことで、硬くなった筋肉によって腕の骨が少し前に押し出された状態となります。
これだけ精密な関節です。ほんの少しでも骨がずれることで、肩を上げる際に組織が挟まれてしまったりして炎症を起こしてしまいます。
ではどうして肩関節後方部分が硬くなるのでしょうか?
一つはアライメント不良があり、もう一つは血行不良です。
例えば「猫背」によって肩甲骨が外側に離れてしまったとします。離れた肩甲骨を放置するわけにはいかないので、肩甲骨周囲の筋肉(特に内側)が緊張してしまいます。
もう一つは血行不良もあげられます。
筋肉の力がうまく抜けるためには循環が必要になります。
実際、循環が悪くなる糖尿病などは肩関節周囲炎になるリスクが高くなっています。
どういった対処方法が必要か
ここでの運動療法は「炎症を落ち着かせること」と「肩に負担のかからない姿勢を獲得するということ」
この二点が重要となります。
まず、炎症を落ち着かせる上で大事なことは「炎症部分の安静」です。
炎症部分に負担がかからないように痛みが出るような動きは行わないようにしましょう。
肩甲骨周囲の筋肉が緊張しないようにすることも大切なアプローチの一つになります。
肩甲骨周囲の筋が緩んでいる状態だと、肩甲骨が代わりに頑張ってくれることもあるので、負荷が少し減ります。逆に肩甲骨周りの筋肉が張ってしまっていると肩関節がより動く必要があるために負担が強くなってしまいます。
もう一つは肩に負担のかからない姿勢を獲得することです。肩甲骨が張ってしまうような猫背は肩に負担がかかってしまいます。
根本的に治していこうと思うと姿勢(全身)から修正が必要になります。
肩関節もみながら、体全体の調整も行う。複雑ですが、ヒトの体は複雑です。ある程度の代償が効きますが、効かなくなった時に痛みや関節可動域の制限として症状に出てしまいます。
Alterでは全身から体の負担がかかるところを予測して、各関節にとってストレスのかかりにくい体作りを行なっていきます。
姿勢や肩関節に不安がある方はぜひご相談ください。
コンディショニング&フィットネススタジオAlter代表。理学療法士歴15年。ICU〜在宅まで幅広く経験。認定理学療法士(運動器・呼吸器)、呼吸療法認定士、心リハ指導士。論文執筆経験あり。関節ファシリテーションや運動器エコー、ピラティスなどを学んでおり体について悩んでいる人を運動療法で救っていきたいと思っています。