膝が伸びないといけない理由

身体の仕組み

こんにちは!理学療法士でフィットネストレーナーのHirokiです。

今回は膝が伸びないといけない理由についてお話したいと思います。

そもそも膝って伸びないといけないの?っていう疑問と、膝が伸びないことってあるの?っていう疑問の二つがあるかと思います。

結論から言いますと、「膝が伸びないと膝に負担がかかってくる」し「膝が伸びなくなることは全然ある」です。

まず、どうして膝が伸びないといけないのか?

ここでいう「伸びる」とは「真っ直ぐ」になるということです。

膝が伸びた方がいい理由

人が立っている時の姿勢ってわずかに膝関節の前を通っています。

膝関節の前面を重心線が通っているということは前に折り曲がろうとする力が膝にかかってきます。

しかし、膝は前に折れることはありません。なぜかというと、膝の後ろには靭帯という硬い線維が多くあるからです。これが支えとなって、膝が折れないようになっています。

一方、膝が曲がってしまうと重心は膝関節の後方を通ってしまいます。重心が膝の後方を通ると、膝が曲がるようになります。膝が曲がろうとする力に関しては前方に支ええる靭帯がないため筋肉で支えようとします。この支える部分に痛みを出すことが多くなってきます。

これは膝を前から見た図になりますが、◯のついているところが膝が曲がらないように筋肉に力が入る場所になります。膝が伸びないことで、この部分が常にストレスを受けていることになります。

歩く時も同様です。

この赤丸がついている部分は足が着地する時期になりますが一番負担がかかる時期となっています。この時期に膝が伸びていると負担はかかりませんが、膝が曲がったままになると膝は不安定なまま着地することとなります。

それが続くことで膝関節は徐々に悪くなっていきます。

立っている姿勢、歩いている姿勢を考えると膝関節は伸びた方がいいということになります。

また、膝が曲がっていることで半月板という膝関節の間に挟まっているクッションのような組織に負担がかかってしまうという説もあります。

この半月板は膝が曲がったり、伸びたりする時に前、後ろに動いて微調整してくれていますが、膝が伸びないことで半月板が十分に動くことができず挟まってしまい、横に飛び出す(逸脱)ことがあります。

挟まることは想像できると思いますが、半月板が挟まることで痛みに繋がったりもします。

半月板からみた早期OAの予防と進行抑制

半月板の逸脱に関しては研究されている段階ですが、変形性膝関節症の進行速度を早めてしまうといった報告もあるため、半月板の機能から考えても膝を伸ばすことは必要ということがわかります。

では、次に膝関節が伸びなくなる原因についてです。

膝が伸びない原因

膝が伸びない原因は大きく2つあります。

1つは筋肉が硬くなったり関節の膜が太くなったり、膝の前にある「脂肪」が硬くなることで伸びにくくなる、軟部組織と呼ばれる組織が原因で起こるものがあります。

この写真は膝が伸びにくくなるとされている筋肉になりますが、たくさんありますよね。

また、近年ではFascia(ファシア)と呼ばれる膜の存在も関節が動きにくくなる要因の一つと言われています。

Fasciaとは皮膚と筋膜の間や筋膜と筋膜の間に存在する膜の一種と言われています。最近流行っている「筋膜リリース」はこの膜部分に対するアプローチとなっています。

膝が伸びないということに関するFasciaの問題では、この図で言うところの赤い線の部分が原因になりやすいといわれてたりします。

2つ目の原因として骨の構造が挙げられます。

O脚という言葉は聞いたことがありますよね?

O脚はただ単に、膝が外にずれてO脚になっているだけでなく、脛の骨や太ももの骨が外側に捻れてしまっています。外側に捻れてしまっているということは関節の適合が悪くなっており、噛み合わせが悪い関節は当然動きに支障が出てきてしまいます。

膝が伸びない原因の一つにこの「骨の捻れ」があります。

この骨の捻れに関しては「運動連鎖」と呼ばれる全身の骨の連鎖があり、「膝が痛いのに背骨が原因って言われた」とか、「膝の痛みはインソールを使いましょう」とか言われたことがあるかもしれませんが、この運動連鎖が関係してきます。運動連鎖に関しては、また別の回でお話します。

簡単に説明しましたが、「膝が伸びないこと」で負担になることはたくさんあります。そのために膝を伸ばさないといけません。しかし、「膝が伸びない」ことに関する原因ってたくさんありますよね。

専門職でも評価しきれない部分も多くありますし、今の医学では追いついていないこともあります。最近になって解明されていることもあります。

体をあまりみないで「あなたの原因は筋膜ですね」とか「インソール作りましょう」とか「ストレッチしましょう」は違うと思っています。

「評価」が一番であり評価が正確だとアプローチも正確になります。

僕自身は、この「評価」を正確に行えるように普段から意識して臨床を行っています。


Alterでは「評価」をしっかり行い、原因に合わせたアプローチを選択して行っています。

立ち座りや階段で膝の痛みで困っている、O脚を治したい、膝が痛くて長距離走れないという方はご相談ください。

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