ピラティスマシンシリーズ:リフォーマーとは?
ピラティスにはさまざまなマシンがありますが、その中でも最も代表的なものが「リフォーマー(Reformer)」です。リフォーマーは、バネ(スプリング)の抵抗を利用しながら、安定性・柔軟性・筋力の向上をバランスよく促すことができるピラティスマシンです。本記事では、リフォーマーの特徴やメリット、活用方法について詳しく解説します。

1. リフォーマーの歴史
リフォーマーは、ピラティスの創始者であるジョセフ・H・ピラティス(Joseph Hubertus Pilates)によって開発されました。ジョセフ・ピラティスは、第一次世界大戦中に負傷兵のリハビリを支援するために、病院のベッドにスプリングを取り付けてリハビリ用のエクササイズマシンを作成しました。これがリフォーマーの原型となります。ベッドの形していますよね。
戦後、ピラティスはニューヨークにスタジオを開設し、ダンサーやアスリートのコンディショニングにもリフォーマーを活用するようになりました。リフォーマーは、スプリングの抵抗を利用して全身を効率的に鍛えることができるため、リハビリからパフォーマンス向上まで幅広い用途で使用されるようになりました。
現在では、進化したリフォーマーマシンが世界中で利用されており、科学的なアプローチと融合することで、より効果的なトレーニングが提供されています。
2. リフォーマーの構造と特徴
リフォーマーは、一見するとベッドのような形をしていますが、その構造にはピラティスの原理が詰め込まれています。

- キャリッジ(Carriage):バネの抵抗によりスライドするプラットフォーム。
- スプリング(Springs):強度の異なるバネで負荷を調整可能。重たくすると筋力が必要になりますし、軽くするとすぐに動いてしまう体を制御する必要があります。適宜バネの調整をすることで同じエクササイズでも目的や効果の違うエクササイズが可能になります。
- フットバー(Footbar):足や手を置くことで動作の支点となる。
- ストラップ(Straps):ロープやハンドルを使い、上肢・下肢の動きを調整。足や手をかけるところです。
- ヘッドレスト・ショルダーレスト:頸部や肩の安定をサポート。
このように、多様な動きを可能にする設計が施されているため、初心者から上級者まで幅広く対応できるのがリフォーマーの魅力です。
3. リフォーマーの利点
リフォーマーでは、以下のようなメリットが得られます。
① 安定性と可動性の向上
リフォーマーはスプリングのサポートと寝て行えるエクササイズにより、関節への負担を抑えながら可動域を広げることが可能です。特に脊柱や股関節の安定性を高めながら、正しいアライメントを意識することができます。

② 機能的な動作パターンの習得
リフォーマーでは、日常生活やスポーツ動作に必要な筋活動を意識しながらトレーニングできます。「安定した体幹から四肢を動かす」ことから動作の質を向上させることができます。

③ コアの強化と姿勢改善
スプリングの抵抗を利用することで、体幹(コア)の筋肉を適切に働かせることができます。特に、腹横筋・骨盤底筋・多裂筋・横隔膜(インナーユニット)を意識したエクササイズを行うことで、姿勢の改善や慢性的な腰痛の予防につながります。

④ リハビリテーションと予防医学への応用
リフォーマーは、負荷の調整がしやすいため、術後のリハビリや慢性痛の改善にも活用できます。特に、運動制御(モーターコントロール)を重視するため、ケガの予防や回復過程においても効果的にアプローチできます。
5. まとめ:リフォーマーで身体の機能を最大限に引き出そう
リフォーマーは、スプリングの特性を活かして全身の安定性・柔軟性・筋力をバランスよく向上させることができるピラティスマシンです。より効果的に身体の機能を引き出し、健康的な身体を作ることができます。
当スタジオでは、個々の目的に応じたリフォーマーレッスンを提供しており、初心者の方でも安心して始められます。ぜひ、一度リフォーマーを体験してみませんか?

コンディショニング&ピラティススタジオAlter代表。理学療法士歴15年。ICU〜在宅まで幅広く経験。認定理学療法士(運動器・呼吸器)、呼吸療法認定士、心リハ指導士。論文執筆経験あり。関節ファシリテーションや運動器エコー、ピラティスなどを学んでおり体について悩んでいる人を運動療法で救っていきたいと思っています。